様々なポーズの写真を収めたポーズ集という名の書籍は、さほど珍しいものではありません。「クリエイターのためのファンタジーポーズ集1 妖精・エルフ」(以下、本書)はその中でも一味違う特徴を備えた一冊です。
ありそうでなかったエルフのポーズ集
本書は「ファンタジーポーズ集」と銘打ってモデルに長い耳のオプションを装備し、ファンタジーに登場するエルフのイメージで数々のポーズを写真に収めたものです。身体のラインが見えるようにアンダーウェア姿でありますが、さほどの違和感はありません。
ポーズ集といえば、実際にモデルを用いると再現が難しいポーズを写したものが多いものです。その中にはコスプレした状態もありますが、(特殊メイクとはいかなくても)モデルの方をモチーフに寄せるタイプのポーズ集はありそうでなかったように思います。
「背後ダラーン」って、翻訳は難しい
さて、本書は一般的なポーズ集と違って一つのポーズを様々な角度から写すより、シチュエーションに合わせたポーズを複数掲載する方式を取っています。槍(に見立てた棒)を構えるポーズや、台に腰掛けて川に入る様子をイメージしたものなど様々あります。
それらには「両足をバタバタさせる」(本書76ページ)などタイトルが併記されています。「Dangling backward」(同64ページ)は直訳すれば「後方に垂れ下がる」とでもなるのでしょうが、(ポーズのニュアンスを表現するため)「背後ダラーン」(同)と翻訳するのも致し方ないところでしょうか。
タトゥーがファンタジックに見える不思議
本書のモデルにはタトゥーが描かれていますが、エルフに見立てて眺めると(描かれているモチーフは身近なものにかかわらず)、特に左腕にみられるものは意味を成さないファンタジックな紋様にも思えてきます。通常であれば余計に感じがちなタトゥーでありますが、こういうコンセプトであればさほど気にはなりません。
巻末には耳のオプションを外した状態の写真も掲載、構えているのはモップの柄(と思われる)で、本編にはないダンスのポーズもあるからか、普通のポーズ集の印象が拭えません。ただ、ライティングのお陰でモデルの骨や筋肉の陰影がくっきり写っているあたり、ポーズ集として十分な内容でありましょう。
欧米と日本ではエルフのイメージが違うのか
日本でのエルフは弓使いのイメージがありますが、本書で弓らしきものを持っているのは1ページのみで、ポーズ的にはホビットやノームあたりの妖精を意識した構成が見られます。やはり海外と日本ではイメージの違いが大きいのかもしれません。
いささかシチュエーションよりもポーズそのものの面白さを強調したページもありますが、ナンバリングがされていることから続刊の可能性があるわけで、どのような種族、職業になるかはともかく期待が持てます。
「クリエイターのためのファンタジーポーズ集1 妖精・エルフ」メルス・ムニャン 著 ボーンデジタル 3520円(税込)