懐かしの児童書コレクション

 テレビアニメ「科学×冒険サバイバル!」の原作が学習まんがなのは周知の事実。その半世紀前に誕生した学習まんがは、子どもの良き友として読まれてきました。「懐かしの児童書コレクション」(以下、本書)はそんな児童書を扱ったものです。

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懐かしの児童書コレクション (G-MOOK) [ 前田尋之 ]
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子どもの興味に応えた児童書シリーズ

 本書は、70年代に盛り上がった子供向け出版物の中で、主要なシリーズを扱ったものです。高度経済成長が一段落したこの時代、児童書は絵本を卒業した子どもの知的好奇心を満たす娯楽として発展しました。特に学校で学ぶ知識とそれ以上の情報を盛り込んだものは、親の財布の紐を緩めるに十分な内容だったのです。

 しかし現代の視点から見れば、子どもの興味に応えたばかりにトンデモない内容となっているものも散見されました。少なくとも当時の読者だった人々にしてみればそのインパクトが頭から離れない書籍たちを、本書では概要とラインナップを含めて紹介しています。

学習まんがの祖、学研まんが ひみつシリーズ

 本書で最初に紹介するのは「学研まんが ひみつシリーズ」(以下、学研まんが)。1972年に始まる同シリーズは学習まんがの草分け的存在で、(当時としては珍しかった)漫画を用いて知識を学ぶスタイルの書籍でした。本書では2000年まで刊行された各巻を網羅、現代も姿を変えて続く人気シリーズの全貌がわかります。

 さらに執筆した漫画家を紹介、(内山安二に代表される)歴史的に語られることが少ない様々な作家が多種の題材で描いていました。図鑑の内容を落とし込んだものからテレビ番組とのコラボまで、バリエーションの多さは(前身となる学習雑誌で)学習まんがの基礎を築いただけのことはあります。

どうしてこうなった?なぜなに学習図鑑

 かたや70年から出版された「なぜなに学習図鑑」(以下、「なぜなに」)はそれまでの子ども向け図鑑の延長線上にあるものの、トンデモない部分が見え隠れするものになっています。それを代表するのが「イルカがせめてきたぞっ」(本書108ページ)などに見られる「一般的な図鑑では見かけない珍妙なもの」(同)のイラスト。

 さらに出版元の小学館が「ウルトラマン」シリーズの掲載権を持っていたからか、「隙あらばウルトラマン」(同129ページ)とばかりに怪獣やウルトラセブン、ミラーマンまで掲載する構成となっています。現在であればコラボという形になるのでしょうが、当時の人気を考えるに客寄せパンダの面が否めません。

ほんとにあった学校のトラウマ書籍

 知ってのとおり70年代はUFOや幽霊、怪現象などを扱ったオカルトブームが起こり、児童書もその波をもろに被った書籍が増えてきました。その中でもオカルトに全振りした「ドラゴンブックス」は吸血鬼や悪魔、さらには秘密結社やサバイバルまで扱う、子供向けとは思えないほどの濃密な内容だったのです。

 そんな児童書は子供のためになるとの建前で、学校の図書館やクラスの学級文庫として置かれることもありました。しかし「なぜなに」はもちろん「学研まんが」ですらもトラウマを与えかねない描写があり、その濃い内容は当時の子どもに忘れられない読書体験を刻んだのです。本書でその記憶を思い起こしてみるのもよいのではないでしょうか。

「懐かしの児童書コレクション」前田尋之 監修 ジーウォーク 2200円(税込)

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