イラストで見る都市伝説の歴史

 ゲーム「シュタインズ・ゲート」に登場する時間旅行者ジョン・タイターの元ネタは、実際にネットで噂に上がった人物でした。「イラストで見る都市伝説の歴史」(以下、本書)は本当か嘘かわからない、歴史的に有名な都市伝説を扱ったものです。

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にこやかに振り返るビッグフットが目印

 本書はUFOや幽霊を包括する都市伝説を集めたものです。シリーズでおなじみフラットなイラストとともに「現代の都市で語られている民話」(本書10ページ)と定義される古今東西の都市伝説を解説、様々な形の噂話を紹介していきます。

 都市伝説の多くは奇妙な現象や謎の存在など、人々を不安にさせる要素が見られますが、それを楽しんでしまうのも人の性。それゆえ本書のイラストで描かれたUMA(未確認生物)の一体・ビッグフットのにこやかな表情はその心理をついているようにも思えます。

もしかしてUMAって、人型多くない?

 本書ではそのUMAの一覧があり、有名なネッシーやモスマン、翼竜・ケツァルコアトルスに似たコンガマトーなどが描かれていますが、先のビッグフットやイエティ、日本産のヒバゴンなどの猿人系統、さらにカエル男や爬虫類人を含めればヒューマノイドUMAの数は多いようです。

 そんな未確認生物ではないけれど、常識を逸脱した怪人と呼べる人物も都市伝説の主役です。本書では当然怪人の一覧も収録、先のジョン・タイターを始め日本発祥の口裂け女や花子さん、(映画化もされた)メン・イン・ブラックなどなど、不気味さにおいてはUMAと負けず劣らずでしょう。

ファミコンカセットをフーフーするのは都市伝説?

 「都市伝説の多くがホラー志向である一方で、もっとずっと笑い話に近いものもある」(本書74ページ)例として、80年代にファミコンのゲームカートリッジにおいて(接触を良くするためとの理由で)接続端子部に息を吹きかける、という情報があります。「これで直るという証拠はない」(同94ページ)と公式に否定されているものの、当時のファミコンユーザーのほとんどは(実行していたかはともかく)耳にしていました。

 メディアの発展とともに都市伝説は拡大し、(先のファミコンのように)最新技術が現れるたび、それに見合った都市伝説が生まれました。コピー機が普及すると、コピーでばらまかれた怪文書「ゼロックス・ロア」(同78ページ)が登場し、ネットが普及すればそこを発端にした怪談や噂が社会に広まるようになります。

最新の都市伝説は過去の焼き直し

 とはいえ、日本のタクシーを舞台にした怪談が、欧米において話の筋がほぼ同じ「消えるヒッチハイカー」(本書49ページ)となっているなど、「細部を変えながら何百年も語り継がれている」(同13ページ)ものもあって、最新の都市伝説が出てきたとしてもそれは過去の焼き直しである可能性が非常に高いといえます。

 それは「人々はお馴染みの形式で、ドラマチックに展開し、オチのある面白い話が好きだ」(同114ページ)という事実が古今東西共通だからでしょう。ともあれ、都市伝説が未来永劫(人間が何らかの進化なり変化を遂げない限り)人間に必要とされるのは疑いの余地がありません。

「イラストで見る都市伝説の歴史」アダム・オールサッチ・ボードマン 著 ナカイサヤカ 訳 マール社 2200円(税込)

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