ファミコンに続くゲーム機・PCエンジンが世に出てからもうすぐ40年になろうとしています。「増補新版PCエンジン&PC-FXパーフェクトカタログ」(以下、本書) は知名度は今一つでも、テレビゲームにおける進歩を成したゲーム機たちを扱った一冊です。
(本記事においては海外版ソフト名をカナ表記する旨、ご了承のほどを)
40周年を目前に、PCエンジン再び
本書は「PCエンジン&PC-FXパーフェクトカタログ」の増補版です。増補新版シリーズでおなじみ海外版のハードとソフト情報を追加したもので、その特徴であるハードウェアのバリエーション、後に発売されたPCエンジンminiも補完した一冊となっております。
知ってのとおり、1987年に発売されたPCエンジン(以下、PCE)はCD-ROMを搭載した初のゲーム機であり、それゆえ市場の開拓に苦戦した部分があります。それは海外でも同じだったようで、日本以上にマイナーな存在になっていたようです。しかしその先駆性はゲーム市場に明確な爪痕を残していました。
PCエンジンのナニコレ珍ハード
発売されてから事あるごとにマイナーチェンジを繰り返したPCE。ファミコンよりコンパクトだったハードウェアも、CD-ROMドライブを搭載するにあたり大型にならざるを得なかったその姿は、少なくとも当時の他社ゲーム機に比べればデザイン的に優れていたといえましょう。
とはいえ拡張性を全面に押し出した設計ゆえ、CD-ROMが主流になる以前に珍品となってしまったハードがあるのも事実。
- 拡張性を犠牲にした宇宙船のようなデザイン「PCエンジンシャトル」
- ゲームギアのようにカラー液晶を特徴とするも、バッテリーの減り具合など欠点が多かった携帯機「PCエンジンGT」
- 上位互換機を目指したものの、その大きさと専用ソフトの少なさが黒歴史となった「PCエンジンスーパーグラフィックス」
などなど、本書付録の実物大ポスターでその雰囲気を味わうことができるでしょう。
ゆけ!ブラボーマン「我が前に敵はなし(?)」
海外では「TurboGrafx-16」の名で発売されたPCE。海外向けに大型化されたハードも虚しく「アーケード移植やシューティングに強いハード」(本書191ページ)としてマニアックな立場にあったのは先に述べたとおり。それゆえソフト自体も日本版をローカライズしたものがほとんどを占めます。当然、
- 「超絶倫人ベラボーマン」→「ブラボーマン」
- 「ガンヘッド」→「ブレイジングレーザーズ」
- 「カトちゃんケンちゃん」→「JJ&ジェフ」
のように名称やキャラクターを差し替えた以外はほぼ同じで、翻訳のコストを考えるとシューティングやアクションゲームのほうが移植しやすかったようです。ゆえにHu-CARD(カード型ROM)で発売されているものが多く、アドベンチャーやRPGなどテキストが多いゲームが主であるCD-ROMソフトが末期に集中しているのを見るにつけ、PCEの実力を発揮できなかったのがうかがえます。
黄昏のギャルゲーハード
PCEといえば「ギャルゲーハード」という汚名がつきまといます。確かにゲームハードの末期にはギャルゲーの発売が多くなる現象があり、PCEがその先駆けだったのは否めません。しかし裏を返せば(パソコンからの移植ができるほどの)グラフィック性能があったがゆえのギャルゲーの多さだったともいえます。
さらに初の完全版として「スナッチャー」の移植や「超兄貴」のようなカルトな人気を誇ったゲームもPCEでなければ発売できなかったでしょう。少なくともPS1やサターンなどCD-ROMハードの礎となった意味においてPCEが重要なゲーム機であったのは間違いありません。
「増補新版PCエンジン&PC-FXパーフェクトカタログ」前田尋之 監修 ジーウォーク 3300円(税込)