もうすぐ50作を迎えようとするスーパー戦隊シリーズ。長年にわたり子供に勇気を与え、「パワーレンジャー」として輸出されて以降は日本に限らない活躍を遂げたヒーローたちを一堂に集めた一冊が「学研の図鑑 スーパー戦隊」(以下、本書)です。
あくまで「スーパー戦隊」の図鑑です
本書は1975年放送の「秘密戦隊ゴレンジャー」から2021年放送の「機界戦隊ゼンカイジャー」まで、スーパー戦隊シリーズの情報を網羅した図鑑です。これまでに300人近いヒーローが登場したがゆえ、あくまでも戦隊ヒーローにフォーカスし、その敵に関する情報は収められていません。
また放送順ではなく、テーマもしくは属性ごとにカテゴライズされており、昭和の戦隊は公の組織に属している物が多く、平成にはRPGの影響かファンタジー要素を含む戦隊が目立ちます。動物、自動車、忍者、恐竜など定番のモチーフが見られるからか、近年は同系統戦隊でのコラボ企画も増えるなど歴史の長さを感じます。
超古代から未来まで、地球を守るぞ
そんなわけで戦隊は、戦う敵も様々なら成立背景も様々。未来から来たタイムレンジャーから超古代の力を受け継いだオーレンジャーまでその歴史は幅広く、本書では図鑑らしく作品における歴史上の事件を年表にしています。「スーパー戦隊の歴史は必ずしもわたしたちのすむ世界と同じ時間軸にはありませんが、交錯することもあります」(本書125ページ)との言葉は作品世界の幅広さを示すものでしょう。
さらに歴代恐竜系戦隊の相棒であるティラノサウルスのデザインが放送当時の学術的解釈を参考にしているがゆえの変遷をコラムで紹介しており、ゴレンジャーの必殺技・ゴレンジャーハリケーンの解説ではそのコミカルなプロセスがゼンカイジャーのセンタイギアに受け継がれ、時代ごとの変遷と変わらぬ部分がうかがえます。
ロボだけで、どれだけいるんだ?
スーパー戦隊シリーズの醍醐味といえば、巨大化した怪人と戦隊が乗り込む巨大ロボとの対決。本書でも「バトルフィーバーJ」以降の巨大ロボを紹介、単体だったロボットもシリーズが続くにつれ2台目ロボ、多重合体ロボなど(設定上ロボットではないものも)種類が増え、見開きでは収まらないボリュームになってきます。
新世紀を過ぎて以降はロボを構成するメカの数が格段に増え、その組み合わせで毎回の放送ごと変化をつけられるほどにバリエーションが増加していきました。キュウレンジャーのロボに至っては理論上「すべての合体コンビネーションは1680通り近くにもなります」(本書258ページ)と放送に収まらないほどの数ができるのです。
「学研の図鑑」なら、こうするね
「『スーパー戦隊』と『学研の図鑑は』、ここに奇跡のコラボを果たしました!」(本書チラシ)ということで、本書は「学研の図鑑」のフォーマットに準じており、「秘密戦隊ゴレンジャー」放送時に子供が親しんでいた図鑑の構成、レイアウトなどが踏襲されているのです。
近年では歴代戦隊の力を借りる「海賊戦隊ゴーカイジャー」「機界戦隊ゼンカイジャー」や「王様戦隊キングオージャー」のように異世界を舞台にしたものなど、手を変え品を変え新たな映像を駆使しながら子どもならずかつてシリーズを楽しんだ大人まで魅了する番組として、スーパー戦隊シリーズはこれからも続いていくのでしょう。(Re)
「学研の図鑑 スーパー戦隊」東映株式会社 松井大(企画者104)監修 学研 3630円(税込)
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