モビルスーツアーカイブ ガンプラモデリングマニュアル RX-78-2 ガンダム編

 ネットでも模型雑誌でもいいですが、気になった模型作品を見て、どのように製作しているのか知りたくなる時があると思います。雑誌の製作記事ではページ数に限りがあるので具体的なところまではわからないことが多いのではないでしょうか。

 「モビルスーツアーカイブ ガンプラモデリングマニュアル RX-78-2 ガンダム編」(以下、本書)は、ガンプラを用いての改造やディテールアップなどの工作方法を念入りに解説した技法書であります。

草刈健一流ガンプラ工作法AtoZ

 本書では、かつて建てられた等身大ガンダム像、いわゆるお台場ガンダムを模型化した「HGUC1/144 RX-78-2ガンダムVar.G30th」(以下、G30th)を使って書き下ろされたガンダムの画稿に近づける工作過程を載せています。

 その工作を担当するのが草刈健一。かつて「コミックボンボン」でMSVなどの模型作例を担当したモデラーの一人です。「基準となる設定画があった場合に、その形を立体として具現化するにはどのように改造していけばいいか、そのヒントにしてもらいたい」(本書002ページ)というコンセプトの本となっています。

ディテールアップから改造へステップアップ

 G30thを使った改造例は本書で二つに分かれています。グレード1としてキットのディテール追加に重点を置いたもの、そしてグレード2ではより改造に重きをおいたものです。

 グレード1では作業の一つ一つに難易度が設定されており、簡単なものから難しいものまで、すべての作業にまんべんなく振り分けられています。決して全てを習得しなければならないわけではありませんが、できそうだと思ったら試してみるのも一興でしょう。

余裕を持って作って削れ!

 前回紹介した「岡プロの『モナカキット』ガンプラ改造講座」では「キットのパーツ形状をどのように変えるか」というところに重きをおく内容でしたが、本書は「ゼロからパーツをどう作るか」という方向に特化しているように感じます。

 グレード2からは自作するパーツが多くなり、基本的にプラ板を使った工作がメインになっています。かなり複雑な形状のものもありますが、図を使って具体的な作り方を解説しています。基本的な工作の組み合わせで、みるみる形が出来上がっていく過程が読んでいて気持ち良くもあります。

歴史を感じる超絶技法

 本書で使われている工具は特殊なものではありません。あえていうなら少し値の張るモーターツールと自作の工具くらいでしょうか。そんな入手しやすい工具で立派な作品を作り出すのは、さすがベテランモデラーといえましょう。モーターツールで作る回転体のパーツやコアファイターのキャノピーをヒートプレスで製作するなど、伝統的な方法や積み重ねた経験を生かして精密なパーツを作るのは一見の価値があります。

 巻末には応用編としてMGガンダムやジムキャノンの作例も載っています。G30thの作例に比べて具体的な解説はしていませんが、これまでに使われた方法で製作されているので、だいたいどんな作り方をしているのか類推できるのではないでしょうか。

 本書で草刈健一の超絶技法を堪能するのもいいでしょうが、コラムで道具や素材など基本的な部分を解説しているので、ガンプラに限らない模型改造やスクラッチビルドの実践的な技法書としても十分使えます。

「モビルスーツアーカイブ ガンプラモデリングマニュアル RX-78-2 ガンダム編」SBクリエイティブ 2500円+税

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です