岡プロの「モナカキット」ガンプラ改造講座

 アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツのプラモデル、通称ガンプラ。発売から40年近く経つ今でも、新作と並んで当時のキットがほぼそのまま店頭に置かれているという状況は非常に珍しいことなのですが、そんなキットがなぜ未だに発売されているのでしょう。

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「モナカキット」はコレジャナイ?

 「モナカキット」とは、パーツを組み合わせると中空になるプラモデルのこと。お菓子の最中になぞらえてそう呼ばれますが、特に古いガンプラに関しては、中身の詰まった新作と対になる名称として使われているようです。
 「岡プロの『モナカキット』ガンプラ改造講座」(以下、本書)は、「いまキットの箱の完成見本写真を改めて見ると『あれ、こんなだったっけ…』と思われる方」(本書77ページ)のために作られた技法書です。

「モナカキット」はカッコイイ!

 確かに古いガンプラはそのまま組むとアニメのイメージとかけ離れた姿になってしまいますが、改めてそのパーツを眺めると、特に一作目のキットはアニメ放送終了後に作られただけあって作品中のイメージに忠実な造形のものも数多くあります。それだけにガンプラ黎明期の未熟だった設計や仕様のためにその魅力が十分発揮されないのが惜しまれるところ。

 それゆえ腕に覚えがあるモデラーなら、モナカキットを使って劇中の再現に挑戦したくなるのも無理からぬこと。でも、具体的にどうすればいいのでしょうか?

グフで学ぼう!キット改造

 本書は副題に「Featuring;BANDAI 1/100 MS-07B GOUF」とついているだけあって、モビルスーツ・グフの1/100スケールキットを使った改造過程を徹底して載せています。
 「ユニットの付き位置とポーズを変更するだけでモナカキットはこんなにカッコよくなります!」(本書77ページ)との主張に基づきながら、極力簡便な方法で改造するノウハウを紹介しています。また、工具や素材など基本的な情報も合わせて載せているので、ひさしぶりにガンプラを手に取った人にもちょうどいい作りになっているのではないでしょうか。

一冊丸ごと1/100グフ!

 本書は模型雑誌「月刊モデルグラフィックス」の記事を単行本化したもので、記事の段階ではさほどでなかったかもしれませんが、グフの改造記事だけで一冊作ったのはガンプラ関係の単行本でも大きなインパクトがあります。
 確かに同じ1/100キットでもガンダムだと最初期のキットなので大改造は必至でしょうし、さりとてザクだと比較的後期に発売されたものなので改造の余地が少ないということもあるでしょう。改造の実例を示すにはグフがちょうどいい塩梅のキットだったのかもしれません。

 とはいえグフの作例のみというのは読む人を選ぶと思われます。せっかく旧キットの改造に特化した内容なのだから、本書77ページのような他のキットによる具体例をもう少し増やすとか、ジオン系とは違った連邦系の作例を入れてみるとか、もう一工夫欲しかったところ。

「岡プロの『モナカキット』ガンプラ改造講座」大日本絵画、3700円+税

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